【ネタバレ】「オン・ザ・ハイウェイ その夜86分」感想/信念を貫いた男の悲劇

86分間、車を運転するトム・ハーディだけを映した映画を見ました。

あらすじだけ読んで見たら展開が思ってたんと全く違くて驚きましたが、とっても面白かったです。子供が誘拐でもされるんかと思ってました。見てみてびっくり、正体はYoutuberがよくやる旅動画と同じものでした。それでもこれで86分持つのはすげぇよ。

オン・ザ・ハイウェイ その夜86分のあらすじ

プライベートでは妻と2人の子どもにも恵まれ、仕事でも建築現場監督として評価され、順風満帆な人生を送っているアイヴァン・ロック。大規模なプロジェクトの着工を翌日に控えた夜、高速道路に乗り、目的地へ向かおうとしていたアイヴァンに1本の電話がかかってきたことから、全てが狂い始めていく

映画.comより引用

オン・ザ・ハイウェイ その夜86分の感想

88点!(100点満点)また見たい。

鑑賞者の倫理観を問う主人公の決断

彼が頑なに不倫相手の出産に立ち会おうとするのは昔父親に捨てられたトラウマを払拭するため。父への復讐のために全てを投げ捨てたとも言えます。

その結果残ったのは自身の肉体と運転している車だけ。最後に言い捨てた「シカゴはクソ」。が最高にロックだった。あの状況でよくそんなこと言えるもんです。

あの決断はアマゾンのレビューを見ても賛否がありましたが、私は「カッコいいやんけ」と思いました。自身の正義を全うするその姿は自分が考える理想の人間像そのものでした。

確かに、見ようによっては復讐のために暴走しただけに過ぎないとも見れます。しかしそれでも。彼は裏切った全てに対し、最後までその責任を果たそうとしました。

家族にはしっかりと顛末を説明する。仕事は意固地な部分はあれど、必ず成功させるべく真摯に向き合う。彼の人格の良さは子供や職場の人たちとのやりとりからも見て取れます。息子のエディ(トム・ホランド)とのやり取りは見ているこちらも目頭が熱くなってきました。

彼の人生はどうなっていくのだろうか。あれだけ強靭な精神があるのだから、大丈夫だと信じたい。どういった形であれ幸せになってほしいです。きっと、うまくいく。

まるで全てがそうなる運命だったかのような、見えない力に引き寄せられていく転落劇はさながら悲劇を見ているよう。この映画は現代の悲劇だ!

ちなみに同じようなワンシチュエーション系の映画で「リミット」という作品があります。今作と比較するとリミットは完全に喜劇です。褒めてます。

 

ラストの一言が最高にロック

先程も触れましたが、ラストがあまりにも痺れたので改めて触れます。

ロックは上司からクビを宣告された際、切り際にこう言い放ちました。「シカゴはクソだ」。いやROCKかよ。あなたはもうLockeじゃなくてRockでいいよ。

あの状況でジョークを飛ばすその胆力。あれが本当のロックの姿勢です。わかりますでしょうか。洋題は「Locke」でしたが、ROCKとのダブルミーニングですよね監督?ねぇそうだよね。

 

電話だけで人物像がだいたい想像できるおもしろさ

画面上で確認できるのはロックだけであとは全員電話での音声で出演しているのですが、これが面白くて声だけでも割と相手のことが想像できたりしちゃうんですよね。

まもなく公開の「GUILTY」の監督もGUILTYの製作に際してそういったことを話しています。想像できる喜びを絶やさず生きていきたいものです。

私はそれぞれこんな人物像を浮かべていました↓

  • 妻のカトリーナは色白の金髪ストレートのちょっと気弱そうな清純系の顔立ち
  • 不倫相手のベッサンは栗色でくせ毛でくるくるしたミディアムヘア、そばかすがあってのっぺりとした顔立ち
  • 息子のエディはスパイダーマンホームカミングのピーターっぽい感じかな〜と思っていたら声優がまさかのトム・ホランドでした。声ってすごいな

工事現場の人たちはまぁいいや。

 

終わりに

「ただのクソ野郎やないか!」みたいな感想も見ましたが、私はすっごく楽しめました。守るべきものを守り抜いた彼の生き様は称賛に値すると思います。

建設業界のコンクリート工事についても学べて一石二鳥の映画でした。ありがとうございました。

 

関連作品

いわゆるワンシチュエーションスリラーと呼ばれる作品です。またアップします。

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